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Japanische Klassiker mit Furigana

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いなかきょうし

田舎教師 他一編

田山 花袋

Lesen Sie 田舎教師 他一編 (いなかきょうし) von 田山 花袋 (たやまかたい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.097 Zeichen · 312 Bildschirme

Aozora Bunko

同僚の関さんや羽生の荻生さんなどが訪ねて来ても、以前のようにビールも出さなかった。

様子の変なのを一番先きに気づいたのは、やはり行田の母親であった。わざわざ三里の路をやって来ても、そわそわといつも落ち着いていないばかりではない。友だちが東京から帰って来ていても訪問しようでもなく、昔のように相談をしかけてもフムフムと聞いているだけで相手にもなってくれない。それに、なんのかのと言って、毎月のものをおいて行かない。あれほど好きであった雑誌をろくろく買わず、常得意の町の本屋にもカケをこしらえない。母親は息子のこのごろどうかしているのをそれとなく感じて時々心を読もうとするような眼色をして、ジッと清三の顔を見つめることがある。

ある時こんなことを言った。

「この間ね、いい嫁があるッて、世話しようッて言う人があるんだがね……お前ももう身もきまったことだし、どうだ、もらう気はないかえ?」

清三は母の顔をじっと見て、

「だッて、自分が食べることさえたいていじゃないんだから」

「それはそうだろうけれど、お前ぐらいの月給で、女房子を養っている人はいくらもあるよ。いっしょになって、学校の近くに引っ越して、倹約して暮らすようにすれば、人並みにはやっていけないことはないよ」