Japanische Klassiker mit Furigana
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いなかきょうし
田舎教師 他一編
田山 花袋
Lesen Sie 田舎教師 他一編 (いなかきょうし) von 田山 花袋 (たやまかたい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.097 Zeichen · 312 Bildschirme
四十
酒屋に三円、菓子屋に三円、荒物屋に五円、前からそのままにしてある米屋に三円、そのほか同僚から一円二円と借りたものもすくなくなかった。荻生さんにも四円ほど借りたままになっていた。
中田に通うころに和尚さんに融通してもらった二円も返さなかった。
金の価値の貴い田舎では、何よりも先にこれから信用がくずれて行った。
四十
ところがどうした動機か、清三は急にまじめになった。もちろん校長からこんこんと説かれたこともあった。和尚さんからもそれとなく忠告された。けれどもそのためばかりではなかった。
頭が急に新しくなったような気がした。自己のふまじめであったのがいまさらのように感じられてきた。落ちて行く深い谷から一刻も早く浮かびあがらなければならぬと思った。
失望と空虚とさびしい生活とから起こった身体の不摂生、このごろでは何をする元気もなく、散歩にも出ず、雑誌も読まず、同僚との話もせず、毎日の授業もお勤めだからしかたがなしにやるというふうに、蒼白い不健康な顔ばかりしていた。どことなく体がけだるく、時々熱があるのではないかと思われることなどもあった。持病の胃はますますつのって、口の中はつねにかわいた。