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Japanische Klassiker mit Furigana

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いなかきょうし

田舎教師 他一編

田山 花袋

Lesen Sie 田舎教師 他一編 (いなかきょうし) von 田山 花袋 (たやまかたい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.097 Zeichen · 312 Bildschirme

Aozora Bunko

――ふまじめな生活がこの不健康な肉体を通じて痛切なる悔恨をともなって来た。弱かったがしかし清かった一二年前の生活が眼の前に浮かんで通った。

「絶望と悲哀と寂※とに堪へ得られるやうなまことなる生活を送れ」

「絶望と悲哀と寂※とに堪へ得らるるごとき勇者たれ」

「運命に従ふものを勇者といふ」

「弱かりしかな、ふまじめなりしかな、幼稚なりしかな、空想児なりしかな、今日よりぞわれ勇者たらん、今日よりぞわれ、わが以前の生活に帰らん」

「第一、体を重んぜざるべからず」

「第二、責任を重んぜざるべからず」

「第三、われに母あり」

かれは「われに母あり」と書いて、筆を持ったまま顔をあげた。胸が迫ってきて、蒼白い頬に涙がほろほろと流れた。

かれは中田に通い始めるころから、日記をつけることを廃した。めったなことを書いておいて、万一他人に見らるる恐れがないではないと思ったからである。かれは柳行李をあけて、そのころの日記を出して見た。九月二十四日――秋季皇霊祭。その文字に朱で圏点が打ってあった。その次の土曜日の条に、大高島から向こう岸の土手に渡る記事が書いてあった。日記はたえだえながらも、その年の十月の末ころまでつづいていた。