Japanische Klassiker mit Furigana
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いなかきょうし
田舎教師 他一編
田山 花袋
Lesen Sie 田舎教師 他一編 (いなかきょうし) von 田山 花袋 (たやまかたい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.097 Zeichen · 312 Bildschirme
深夜、ピストルの音がして人々が驚いてはせ寄ったことがくわしく記してあった。かれは今まで思ったことのない「死」について考えた。夜はその夢を見た。寄宿舎の窓に灯が明るくついて、人がガヤガヤしている。ピストルが続けざまに鳴った。自殺した男が窓から飛んで来た。
朝ごとの霜は白かった。夜半の霙で竹の葉が真白になっていることもあった。ラッケットをさばいて校庭に立っているかれのやせぎすな姿を人々はつねに見た。解けやらぬ小川の氷の上にはあおじが飛び、空しい枝の桑畠にはつぐみが鳴き、榛の根の枯草からは水鶏が羽音高く驚き立った。楢や栗の葉はまったく落ちつくして、草の枯れた利根川の土手はただ一帯に代赭色に塗られて見えた。田には大根の葉がひたと捨てられてあった。
月の中ごろに、母親から来た小荷物には、毛糸のシャツがはいっていた。手紙には「寒さ激しく御座候間あまり寒き時は湯をやすみ、風ひかぬやう御用心くだされたく候、朝夕よきこと悪しきことにつけお前一人便りに御座候間御身大切に御守り被下度候」と書いてあった。このごろは母を思うの情がいっそう切になって、土曜日に帰る途でも、稚児を背に負った親子三人づれの零落した姿などを見ては涙をこぼした。