Japanische Klassiker mit Furigana
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いなかきょうし
田舎教師 他一編
田山 花袋
Lesen Sie 田舎教師 他一編 (いなかきょうし) von 田山 花袋 (たやまかたい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.097 Zeichen · 312 Bildschirme
清三は行田から弥勒に帰る途中、そうした壮丁に幾人もでっくわした。
旅順仁川の海戦があってから、静かな田舎でもその話がいたるところでくり返された。町から町へ、村から村へ配達する新聞屋の鈴の音は忙しげに聞こえた。新聞紙上には二号活字がれいれいしくかかげられて、いろいろの計画やら、風説やらが記されてある。十二日は朝から曇った寒い日であったが、予想のごとく、敵の浦塩艦隊が津軽海峡に襲来して、商船奈古浦丸を轟沈したという知らせが来た。その津軽海峡の艫作崎というのはどこに当たるか、それをたしかめるため、校長は教授用の大きな大日本地図を教員室にかけた。老訓導も関さんも女教師もみなそこに集まった。
「ははア、こんなところですかな」
と老訓導は言った。
清三は浦塩から一直線にやって来た敵の艦隊と轟沈されたわが商船とを想像して、久しくその掛け図の前に立っていた。
湯屋でも、理髪舗でも、戦争の話の出ぬところはなかった。憎いロシアだ、こらしてやれという爺もあれば、そうした大国を敵としてはたして勝利を得らるるかどうかと心配する老人もあった。子供らは旗をこしらえて戦争の真似をした。