Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
いなかきょうし
田舎教師 他一編
田山 花袋
Lesen Sie 田舎教師 他一編 (いなかきょうし) von 田山 花袋 (たやまかたい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.097 Zeichen · 312 Bildschirme
今年は「から梅雨」で、雨が少なかった。六月の中ごろにすでに寒暖計が八十九度まであがったことがあった。七月にはいってから、にわかに暑さが激しく、田舎町の夜には、縁台を店先に出して、白地の浴衣をくっきりと闇に見せて、団扇をバタバタさせている群れがそこにもここにも見えた。母親は買い物をする町の店に熟していないので、そうした夜の散歩には、荻生さんがここが乾物屋、ここが荒物屋、呉服屋ではこの家が一番かたいなどと教えてくれた。下駄屋の店には、中年のかみさんが下駄の鼻緒の並んだ中に白い顔を見せてすわっていた。鍛冶屋にはランプが薄暗くついて、奥では話し声が聞こえていた。水のような月が白い雲に隠れたりあらわれたりして、そのたびごとにもつれた三つの影が街道にうつったり消えたりする。
用水の橋の上は涼しかった。納涼に出た人々がぞろぞろ通る。冬や春は川底に味噌漉のこわれや、バケツの捨てたのや、陶器の欠片などが汚なく殺風景に見えているのだが、このごろは水がいっぱいにみなぎり流れて、それに月の光や、橋のそばに店を出している氷屋の提灯の灯影がチラチラとうつる、流れる水の影が淡く暗く見える。