Japanische Klassiker mit Furigana
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いなかきょうし
田舎教師 他一編
田山 花袋
Lesen Sie 田舎教師 他一編 (いなかきょうし) von 田山 花袋 (たやまかたい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.097 Zeichen · 312 Bildschirme
「僕はこんな田舎にあんな人がいようとは思わなかった。田舎寺には惜しいッていう話は聞いていたが、ほんとうにそうだねえ。……」
「話対手がなくって困るッて言っていましたねえ」
「それはそうだろうねえ君、田舎には百姓や町人しかいやしないから」
二人は山門を過ぎて、榛の木の並んだ道を街道に出た。街道の片側には汚ない溝があって、歩くと蛙がいく疋となくくさむらから水の中に飛び込んだ。水には黒い青い苔やら藻やらが浮いていた。
大和障子をなかばあけて、色の白い娘が横顔を見せて、青縞をチャンカラチャンカラ織っていた。
その前を通る時、
「あのお寺の本堂に室がないだろうか?」
こう清三はきいた。
「ありますよ。六畳が」
と友はふり返った。
「どうだろうねえ、君。あそこでおいてくれないかしらん」
「おいてくれるでしょう……この間まで巡査が借りて自炊をしていましたよ」
「もうその巡査はいないのかねえ」
「この間岩瀬へ転任になって行ったッて聞きました」
「一つ、君は懇意だから、頼んでみてくれませんか、自炊でもなんでもして、食事のほうは世話をかけずに、室さえ貸してもらえばいいが……」
「それはいい考えですねえ」