Japanische Klassiker mit Furigana
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いなかきょうし
田舎教師 他一編
田山 花袋
Lesen Sie 田舎教師 他一編 (いなかきょうし) von 田山 花袋 (たやまかたい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.097 Zeichen · 312 Bildschirme
父親の商売の不景気なことも続いて語った。清三のおさないころの富裕な家庭の話も出た。
夜は菓子を買って郁治の家に行った。雪子がにこにこと笑って迎えた。書斎での話は容易につきようともしなかった。同じことをくり返して語っても、それが同じこととは思えぬほど二人は親しかった。相対して互いに顔を見合わせているということが二人にとってこのうえもない愉快である。「行田文学」の話も出れば山形古城の話も出る。そこに郁治の父親がおりよく昨日帰ってきていたとて出てきて、「林さん、どうです、……学校のほうはうまくいきますか」などと言った。
「あそこの学校は軋轢がなくっていいでしょう。校長は二十七年の卒業生だが、わりあいにあれで話がわかっている男でしてな……村の受けもいいです」
郡視学はこんなことを語って聞かせた。
雪子が茶をさしにきた時、袂から絵葉書を出して、「浦和の美穂子さんから今、私のところにこんな手紙が来てよ」と二人に示した。美穂子はかの Art の君である。雪子はまだ兄の心の秘密を知らなかった。
絵葉書は女学世界についていた「初夏」という題で、新緑の陰にハイカラの女が細い流行の小傘をたずさえて立っていた。