Japanische Klassiker mit Furigana
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いなかきょうし
田舎教師 他一編
田山 花袋
Lesen Sie 田舎教師 他一編 (いなかきょうし) von 田山 花袋 (たやまかたい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.097 Zeichen · 312 Bildschirme
「雪さんどうしてござるな」
「相変わらずぶらぶらしています」
「ちと、遊びにおつかわし。貞も退屈しておりますで……」
それこれするうちに、北川は湯から帰って来た。背の高い頬骨の出た男で、手織りの綿衣に絣の羽織を着ていた。話のさなかにけたたましく声をたてて笑う癖がある。石川や清三などとは違って、文学に対してはあまり興味をもっていない。学校にいたころは、有名な運動家でベースボールなどにかけては級の中でかれに匹敵するものはなかった。軍人志願で、卒業するとすぐ熱心に勉強して、この四月の士官学校の試験に応じてみたが、数学と英語とで失敗した。けれどあまり失望もしておらなかった。九月の学期には、東京に出て、しかるべき学校にはいって、十分な準備をすると言っている。
三人は胸襟を開いて語り合った。けれどここで語る話と清三と郁治と話す話とは、大いに異なっていた。同じ親しさでも単に学友としての親しさであった。打ち解けて語ると言っても心の底を互いに披瀝するようなことはなかった。
ここでは、学校の話と将来の希望と受験の準備の話などが多く出た。北川は東京で受けた士官学校入学試験の話を二人にして聞かせた。