Japanische Klassiker mit Furigana
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いなかきょうし
田舎教師 他一編
田山 花袋
Lesen Sie 田舎教師 他一編 (いなかきょうし) von 田山 花袋 (たやまかたい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.097 Zeichen · 312 Bildschirme
十三
翌日は母も清三も寝過ごしてしまった。時計は七時を過ぎていた。清三はあわてて茶漬をかっ込んで出かけた。いくら急いでも四里の長い長い路、弥勒に着いたころはもう十時をよほど過ぎた。学校の硝子窓には朝日がすでに長けて、校長の修身を教える声が高くあきらかにあたりに聞こえる。急いで行ってみると、受持ちの組では生徒がガヤガヤと騒いでいた。
十三
熊谷町にもかれの同窓の友はかなりにある。小畑というのと、桜井というのと、小島というのと――ことに小畑とはかれも郁治も人並みすぐれて交情がよかった。卒業して会われなくなってからは毎日のように互いに手紙の往復をして、戯談を言ったり議論をしたりした。月に一二度は清三はきっと出かけた。
行田町から熊谷町まで二里半、その路はきれいな豊富な水で満たされた用水の縁に沿ってはしった。一田圃ごとに村があり、一村ごとに田圃が開けるというふうで、夏の日には家の前の広場で麦を打っている百姓家や、南瓜のみごとに熟している畑や、豪農の白壁の土蔵などが続いた。秋の晴れた日には、田圃から村に稲を満載した車がきしって、黄いろく熟した田には、頬かむりをした田舎娘が、鎌の手をとめて街道を通って行く旅人の群れをながめた。