Japanische Klassiker mit Furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme
「なんで?」
「いつか、吉田親分のところへ、乗りこんで、かけあいに行っとろうが。あのことで――玉井の奴、おれをさしおいて、じかに、吉田の大将に面会するなんて、生意気な奴じゃ。おれの顔をつぶした。……ちゅうて、はげしゅう、怒っとるそうじゃ」
「ふウン……」
それから、また、二三番、さした後、
「金さん」
「あン?」
「あんた、谷口のおマンさんと夫婦になるそうじゃなあ」
「誰が、いうたな?」
「おマンさんが、自分で、いいよった」
金五郎は、そのことを聞くのは、はじめてではなかった。この二三日、どこに行っても、それをいわれる。それというのが、マンが、誰彼に逢うごとに、「金五郎さんの嫁女になる」と、いいふらしているらしかった。その癖、マンは金五郎に出あっても、つんと横をむいて、ものもいわずに、通りすぎてしまう。
金五郎は、苦笑する。
(おかしな女じゃ)
その夕方、新之助の見舞に行くと、君香がいた。毎日、来ているらしい。派手な洋装はやめて、簡単服のような、質素な風をしている。どこにも、ボンネットや、絹手袋、パラソルのようなものは見あたらなかった。
(なんだか、妙じゃな)
と、金五郎は、直感した。