Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme
「迷惑ですとも」
「困るかね?」
「困りますよ」
「そうか。それは、すまんじゃった。わたしはあんたが好きじゃし、ひょっとしたら、あんたも、わたしに好意を持ってくれやせんじゃろかと、思うたもんじゃけ、うっかりしたこと、いうた。勘弁しておくれ。もう、いわん。……わたしに、話があるというたのは、このことな?」
「そうです」
「そんなら、今いうたとおりじゃ。……さよなら」
金五郎は、くるりと廻ると、すたすたと、飯代部屋の方へ、去って行った。
その後姿を眺めるマンの眼に、不思議な狼狽の光がただよっていた。
夕食時間なので、飯代部屋も、夫婦長屋も、これから食事がはじまるところである。マンの黒眼勝ちの瞳には、珍しく、ブラジルの天地を望む強い光より、家庭を恋している、柔い光がにじみ出ていた。
また、数日が、過ぎた。
金五郎は、どうしても、「ノロ甚」にかなわないので、躍起になって、連日、挑戦した。しかし、いつも、鴨になる。今日も、昼休みに、将棋をさしていると、「ノロ甚」が、いつもとすこし違う緊張の面持で、
「金さん」
「あン?」
と、顔をあげた。
「うちの親方が、大層、あんたに、機嫌が悪いそうなで」