Japanische Klassiker mit Furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme
藤本組と縁組みすりゃ、玉井組万々歳じゃ」
「うちの人も、あたしも、まるきりの無学文盲、それで、一生辛い目を見ましたけ、子供たちには、どんなに貧乏してでも、学問だけはさせてやろうと思うたとですが、……そうすれば、そうしたで、子供たちは、親の膝元を離れるようになりはせんかと、……」
「むずかしいもんたい。じゃが、あんまり考えすぎても、物事はうまく行かん。まあ、今度の縁談については、そう、クヨクヨしなんな。勝則も、まさか、わたしたちの顔をつぶすようなことはしやすまい」
大庭邸のある、牧山への上り口のところに来て、二人は別れた。別れ際に、大庭春吉は、「明日の晩にでも、勝則を、家に、遊びに寄越しなさい」と、いった。大庭は、勝則が自分の孫のように、可愛ゆくてならぬ様子だった。
マンは、一人で、渡船場の方へ歩きながら、まだ不安が去らず、これから、原田雲井のところへ寄って、この問題について、智慧を借りよう、と思った。
渡船に、乗った。五〇トンほどのずんぐりした恰好の小蒸気船である。戸畑と若松とをつなぎ、五分足らず、渡船賃三銭、十分置き、中ノ島の両側に添って、出入港船の頻繁な洞海湾の港口を横断している。