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Japanische Klassiker mit Furigana

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はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme

Aozora Bunko

(じゃが)と、金五郎は、不意に、眼を怒らせる。(息子の勝手と、裏切りとを、許すわけには行かぬ。藤本との縁談を成就しなければ、大庭の親方に対して、顔が立たん。申しわけない。勝則だって、一度は委せるといったんじゃから、男の約束を履行せねばならん)

金五郎の決意は堅かった。

勝則は手を洗ってから、出て行った。

「ここへ置きますよ」

庭石の上に、コヨが下駄を揃えた。

「ありがとう。……おコヨさん、これ」

「ええのよ、そんな心配せんでも」

「まあ、僕の気持じゃけ」

「そうかね」

コヨは、勝則のさしだす紙包みを受け取った。

大島の羽織と着物を着ている若々しい青年の顔を、コヨはあらためて見なおした。柔和な面持ちのなかに、耐えがたい苦悩とともに、なにか、非常の覚悟のみなぎっていることが看取される。

勝則が暗い裏庭に消えると、金五郎が出て来た。

「おコヨさん、跡をついて行ってみてくれんか」

「心中でも、したら困るけ?……」

「そんなこたすまいけんど」

金五郎は、広間に帰った。

「やあ、親方、どこに行っとったかね。今夜は、親分の浄瑠璃を聞くのを楽しみにして来たんだ。一席やってくれ」

もうだいぶん酔っている三菱の労務課長が、牀柱のところから、手をあげて叫んだ。