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Japanische Klassiker mit Furigana

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はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme

Aozora Bunko

手が足りないので、深く詮索もせず、四五人、臨時に雇い入れたのであるが、そのときに、敵の廻し者がまぎれこんだにちがいない。「作やん」とだけ呼ばれていた、四十恰好の、背に岩見重太郎の彫青をほどこした小柄な男――その男が怪しいと思われた。

「新公、消えそうじゃぞ」

必死に手伝っていた金五郎が、親友を元気づけるように、弾んだ語調で、声をかけた。

「うん、ありがたい。これくらいで消えてくれりゃあ、……」

ところが、意外なことが起った。舞台の火事はおさまりかけたのに、劇場の裏手から、新しい火の手が上って来たのである。さらに、混乱は倍加された。

「放火しやがったか」

新之助の顔は歪み、鬼のようだった。

半鐘が、鳴りだした。

消防組が、くりだして来た。手押しポンプがならべられた。えんえんと燃えあがるすさまじい火の手に向かって、幾本もの水の槍が前後左右からそそぎかけられた。鳶口を持った刺子半纏の消防手が活躍をする。

諸肌ぬぎになった金五郎も、楽屋の荷物運びだしに、加勢をした。

かけつけた子分たちが、玉井組の提灯をふりかざして、飛びまわっている。

彫青を見せないために、夏も着ている長袖のシャツが、なにかに引っかかって破れた。