Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme

Aozora Bunko

「この間は、十郎さんが、二十人もの遊人を雇って、玉井さんを脅迫しましたのよ。御存じ?」

「ああ、公会堂の裏ででしょう?」

「ええ」

「みんな、日本刀を抜いて……」

「ええ」

「そのことは、うちの人から聞きましたわ。まあ、そうですか。吉田一派の者とばっかり、思うとったのに。でも、おかしいわねえ。うちの人を脅迫したり、用心棒になって守ったり、……」

「みんな、母のいいつけです」

「お京さんの?……」

「母は、東京にいますけれども、母の心は、若松に来て居ります。あたしは、その母の身代りですの」

「もっと、詳しく話して下さい」

マンは切迫した顔になって、膝を進めた。

大榎の梢で、梟が鳴いている。遠く、武徳殿の建物に半かくれて、公会堂が見える。聴衆で埋められている二階の演説会場からときどき、拍手や、笑声、喧号のどよめきが伝わって来る。

その方に、視線を投げて、お葉は、ひとりごとのように、語りだした。

「母は、自慢の出来る女ではありません。若いころから、女だてらに、バクチ打ちの仲間に加わって、旅から旅を彷徨っていました。北は北海道から、南は九州の果てまで。それこそ、全国を股にかけていたわけです。