Japanische Klassiker mit Furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme
その吉田さんが、新聞で、日若座のこけら落しの記事を見たちゅうて、花輪をとどけてくれたんじゃ――こげな、新しい劇場が建つちゅうようなこた、敵も味方もない、若松全体のためにええことじゃけ。……病院で、寝とって、そげいうたちゅうが、……子分どもは、親の心、子知らず、たい」
不穏の噂が街に飛んでいたが、第一日目は、なにごともなく、終った。
のど自慢の天狗連中が、プログラムにしたがって、次々に、得意の芸題を語った。
真打として語った矢野津ノ子の「双蝶々廓日記・八幡引窓の段」を、金五郎は恍惚となって聞いた。まだ二十五六歳の青年であるが、その語り口の巧妙さはほとんど神に入っていると思われた。
三味線を弾いているのは、女の豊沢玉輝。金五郎や新之助の師匠である豊沢団助の未亡人、その撥の冴えも、あざやかだった。
「新公、あれは、どこの者な?」
「ありゃあ、お前本物じゃよ。小倉の男じゃが、天才とか、神童とかいうんじゃろうなあ、十二歳のとき、竹本津太夫に見こまれて、一度は大阪「文楽」につれて行かれて、津ノ子という芸名を貰うて、跡を継いだこともあるんじゃよ。元老じゃ。なんか、師匠と喧嘩して、飛びだしたちゅうこっちゃが、……」