Japanische Klassiker mit Furigana
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くしんのがくゆう
苦心の学友
佐々木 邦
Lesen Sie 苦心の学友 (くしんのがくゆう) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.732 Zeichen · 332 Bildschirme
「僕は先生に切ってもらいます。若様は助手に切っていただけばいいです」と正三君は目的があるからむやみにさからう。
「内藤正三位!」
「…………」
「ばか!」
「…………」
「助手に切ってもらえなんて、失敬じゃないか? きみこそ助手に切ってもらえ!」
「僕はいやです」
「僕もいやだよ」
「なぜですか?」
「助手は先生よりもへただから痛いにきまっている」
「それごらんなさい」
「なんだい?」
「痛がるのは大和魂のない証拠です」
「あるとも。見せてやる」
「見せていただきましょう」
「よし、今度は僕が先に切る」
「先に切れるもんですか」
「切るとも」
と照彦様はまた計略にかかった。内藤正三位、ナカナカずるい。
こうすぐに喧嘩をする殿様と家来はめずらしい。しかしこの二人ぐらいすぐまた仲よしになる主従もすくない。翌朝、
「若様、いかがでございますか?」
と正三君がきいた時、照彦様は、
「もうなんともない。うまいぞ。学校へゆかずに遊べるんだ」
と答えて、すっかりごきげんがなおっていた。
「僕はまだ少し痛いです」
「痛いと思うから痛いんだよ」
「若様は思いの外お強いですな」
「きみは口でおせじを使っても、はらの中じゃ僕をよわいと思っているんだ。