Japanische Klassiker mit Furigana
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くしんのがくゆう
苦心の学友
佐々木 邦
Lesen Sie 苦心の学友 (くしんのがくゆう) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.732 Zeichen · 332 Bildschirme
しかし堀口生は喧嘩以来後悔を持ちつづけていた。
「今まで僕がわるかった。かんべんしてくれたまえ。僕は二日休んで考えた。このとおり退校届を持ってきた。松村君、松村君」
「なんだい?」と松村君が答えた。
「僕は皆にわるいことをしている。きみからあやまってくれたまえ」
「もういいんだよ。すんでいるじゃないか?」
「皆、いや、諸君。きみたち!」
「…………」
「ほんとうにいいのかい?」
「いいんだよ。いいんだよ」
と五、六人がきのどくになって異口同音にいった。
「それじゃ僕はもうこれからわるいことをしないようにここで約束する。実は昨日お母さんがあやまりにきて、先生にだけはもう一ぺん堪忍してもらったんだ。松村君」
「なんだい?」
「これをきみにあずけておく。僕の退校届だ。このとおり伯父さんの判がおしてある」
と堀口生は半紙に書いたものをひろげて皆の方へむけた。
「そんなものはいらないよ」
「いや、これをあずかっておいて、今度僕がわるいことをしたらすぐに橋本先生に出してくれたまえ」
「…………」
「さあ、きみ」
「僕は困る、そんなこと」
「松村君、そうしてくれなければ僕は除名になる。堪忍してもらえないのも同じことだ」