Japanische Klassiker mit Furigana
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くしんのがくゆう
苦心の学友
佐々木 邦
Lesen Sie 苦心の学友 (くしんのがくゆう) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.732 Zeichen · 332 Bildschirme
昼弁慶
畑をほって埋めるがよい。ただし杉山をとがめるなよ、かわいそうじゃ。腕を打った上に、長く臭名を残すことであろう」
とおっしゃった。
「肩へ手がかかった時、おのれ妖怪ござんなれと、臍下丹田に満身の力をこめて」
と安斉先生はお得意だった。同じことを幾度でも話す。
「先生、先生は杉山ってことをご存じじゃございませんでしたか?」
と照正様は念のためにきいてみた。覚えられているようだと後が恐ろしい。
「いや、いっこう」
「ご老体でもおたしかなものですな」
「そこは昔きたえた関口流です。しかし杉山とわかれば、手荒いことはいたしません。とりおさえて説諭をいたすのでしたろうが、それ、虎と見て石に立つ矢のためしでございます」
「しかしやしき内に虎の出るわけはありません」
「後ろからいきなりかかってきたものですから、何物かわからなかったのです」
と安斉先生、このへんはなはだ曖昧だった。
「びっくりなすったでしょう」
と照正様はそれもたしかめたかった。
「いや、いっこう。おのれ妖怪ござんなれと、臍下丹田に満身の力をこめて……」
「妖怪の出るはずもありません」
「考えてみるとそうですが、ワーウウウっと唸りながら飛びかかりましたので、人間とは思いませんでした。