Japanische Klassiker mit Furigana
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くしんのがくゆう
苦心の学友
佐々木 邦
Lesen Sie 苦心の学友 (くしんのがくゆう) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.732 Zeichen · 332 Bildschirme
「杉山さん、どうぞお大事に」
と二人は早速逃げてきた。
「内藤君」
「なんですか?」
「臭かったね。杉山はまだこやしがついているんだ」
「洗ったけれどしみこんでいるんでしょう」
「大きくなるかしら?」
「はあ」
「からだがさ。こやしがきいて」
「ハッハハハハ」
「ハッハハハハ」
と同情がない。杉山は照正様と照常様には忠義だけれど、照彦様をあなどる風がある。正三君にいたっては眼中にない。二人はそれを知っているのだった。
「若様」
と正三君は不安そうな顔をした。
「なんだい」
「お肝試しの会で安斉先生にほめられましたけれど、杉山君がバットやおトンカチのことを話すと困りますね」
「僕もそれを考えていたところだ。あいつはきっとしゃべる」
「仕方ありません。ほんとうは臆病なんですから」
「僕かい?」
「二人とも」
「失敬だね。僕はきみほどふるえなかった」
「若様が僕の手をにぎっておふるえになったものだから、僕もふるえたんです」
「いや、きみがブルブルふるえたものだから、僕もふるえたんだよ」
と照彦様は水かけ論をはじめた。
「それじゃ僕だけ臆病でもいいです」
「僕もすこし臆病さ。夜だもの。それならいいだろう?」