Japanische Klassiker mit Furigana
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くしんのがくゆう
苦心の学友
佐々木 邦
Lesen Sie 苦心の学友 (くしんのがくゆう) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.732 Zeichen · 332 Bildschirme
と二人とも乗り出した。
「関さんは華族だってなんだって堪忍しない。この級のものが一番横着でいけないっておこっているから、花岡がいってとっつかまれば早速教員室だよ」
「しかし花岡がいくだろうか?」
と横田生が疑問をおこした。
「そこは計略さ」
「どうする?」
「あいつはお坊ちゃんだから、おだてがきく。花岡君はえらいってむやみにほめるんだ」
「おれもやる」
「おれもやるぞ」
「あんな奴の一人や二人、朝飯前だよ」
と尾沢生が得意になって手はずを説明したところへ、今しがた追い出された数名が、
「寒い寒い」
といってはいってきた。花岡の照彦様も寒がりだから、その一人だった。尾沢生は横田生と篠崎生に目くばせをして、
「不景気だなあ」
とストーヴの口を覗いた。
「これじゃ仕方がない。だれか有志はないか?」
と横田生が調子をあわせた。そこへまた二、三人はいってきて、
「寒いなあ」
とストーヴによりそった。
「だれか親切な人はないか?」
と尾沢生が一同を見まわした。
「吉田君、どうだ?」
と横田生は直接勧誘を試みた。
「なにが」
「小使い部屋へいって石炭を取ってこないか?」
「いやだよ」
「度胸がないね」