Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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たでくうむし

蓼喰う虫

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 蓼喰う虫 (たでくうむし) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 110.066 Zeichen · 216 Bildschirme

Aozora Bunko

「僕もそう考えなくもないんだがね、………ただどうも、親の身になると子供に打撃を与えるのが厭だもんだから、ついぐずぐずに延ばしてしまって、………」

「君が恐れるほど打撃を受けはしないんだがなあ。―――子供と云うものは強いもんだぜ。大人の心で子供を推し測るもんだから可哀そうに思えるんだが、子供自身はこれから成長するのだから、そのくらいな打撃に堪える力は持っているんだぜ。ようく分るように云って聴かしたらあきらめるところはちゃんとあきらめて、理解するに違いないんだが、………」

「それは僕にも分っているんだよ。君の考える通りのことを僕も一と通りは考えたんだ」

ありていに云うと、要はこの従弟が上海から来てくれる日を、半ばは心待ちにもし、半ばは荷厄介にもしていた。不愉快なことは一日延ばしに先へ延ばして土壇場へ追い詰められるまでは云い出し得ない自分の弱い性質を思うと、従弟が早く来てくれたら自然いやいやながらでも前のめり押し出されてカタが附きそうな気がしていたのだが、面と向ってその問題を持ち出されてみると、遠い所に置いてあったものが急に眼の前へ迫った感じで、励まされるよりは怯気がついて、臀込みするようになるのであった。