Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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たでくうむし

蓼喰う虫

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 蓼喰う虫 (たでくうむし) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 110.066 Zeichen · 216 Bildschirme

Aozora Bunko

その五

「お前、犬を受け取ったらじいやを連れて先へお帰り、小父さんは神戸に用があるそうだし、………」

「お父さんは?」

「お父さんも小父さんと一緒だ。小父さんは実は、久しぶりで神戸のすき焼がたべたいと云うんで、これから三ツ輪へ出かけるんだよ。お前は朝がおそかったからそんなに減ってやしないだろう? それにお父さんは少し小父さんと話もあるし、………」

「ああ、そう」

子供は意味を悟ったらしく、顔を擡げて恐る恐る父の眼の色を見た。

その五

「とにかく弘君の一件はどうする気なんだ。話した方がいいにはいいが、話しにくいと云うのだったら、僕が話してやってもいいぜ」

せっかちと云うほどでもないが、テキパキ事務を運んで行く習慣のついている高夏は、三ツ輪の座敷に足を伸ばすとすき焼の鍋の煮えるあいだも無駄に放っては置けないのであった。

「それはいかん、やっぱり僕から話す方が本当じゃないかな」

「そりゃあそうに違いないさ、ただその本当のことを君がなかなか実行しそうもないからさ」

「まあいい、そう云わんで子供のことは僕の勝手にさせてくれ給え。何と云っても彼奴の性質は僕が一番よく知っているんだから。