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Japanische Klassiker mit Furigana

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おつきさまのうた

豊島与志雄童話集

豊島 与志雄

Lesen Sie 豊島与志雄童話集 (おつきさまのうた) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.569 Zeichen · 336 Bildschirme

Aozora Bunko

観音様のうちにも、魚籃観音というのがあって、水に関係のふかいかたがあるし、また、水天という水の中の神さまもあることだし、あの観音様に琵琶湖の護り主となっていただこう、というのです。

さて、その日になりますと、ありがたい観音様が、琵琶湖の護り主となって、水にはいられるというので、おおぜいの人たちが湖水のふちに集まりました。そこの岸には、紫色のはっぴをきた水夫たちが、洗いきよめた船を用意していました。その船の方へ観音様は進んでいかれました。

まっ先に、三井寺から迎えられたお坊さんが行き、次に、観音様をせおっている鞍馬の夜叉王がつづき、堅田の顔丸の丸彦がうしろから見はりをし、そのあとに、堅田の顔長の長彦と、坂の上の朝臣がならび、さいごに、めしつかいの男や女がしたがいました。

人々はどよめきました。

お婆さんが、地べたにかがんで、観音様をふしおがみました。船頭のおやかたが膝まずいて、観音様にそっと手をふれてお祈りをしました。それから、多くの人たちが、観音様をそっとなでて、それぞれになにか祈りました。

するうちに、観音さまをせおっている夜叉王が、しだいに苦しそうな息づかいをし、汗をながしました。