Japanische Klassiker mit Furigana
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めいしんとしゅうきょう
迷信と宗教
井上 円了
Lesen Sie 迷信と宗教 (めいしんとしゅうきょう) von 井上 円了 (いのうええんりょう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 151.147 Zeichen · 298 Bildschirme
その点はなんぞや。曰く、「人の精神上の境遇なり。金満家は肉体上にありては快楽をほしいままにし、幸福をもっぱらにし、百事百物、意のごとくならざるなきも、精神上にありては、またすこぶる安楽の余地に乏しきを見る。しかして、よく精神界中に楽地を開くものは、学問と宗教なり。この二者は精神世界を照らす灯台にして、また精神境裏をうかがう眼鏡なり。金満家はたいてい学問に乏しく、また宗教に暗し。ゆえに、大事に当たりて迷い、病患にかかりて恐れ、老い去り、衰えきたりて、目よくみるべからず、耳よく聴くべからず、舌よく味わうべからざるに至れば、あたかも渓山深き所に、樵径を失したるがごとく、茫然として四顧向かうところを知らず。また、あたかも終身禁固の牢中にあるがごとく、呻吟としてただその心を苦しむるのみ。かくして、日一日より死期に近づき、いよいよ生死一別の境に臨み、無常の妄風吹ききたりて、心灯まさに滅せんとするに至らば、前途暗くして、いずれに向かいて去るを知るべからず。顧みて往時を追想すれば、百事恍として夢のごとし。進退これきわまるも、またいかんともすべからず。いかなる金満家もここに至れば、その憂悶、実にいうに忍びざるものあり。