Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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てっとうのかいじん

鉄塔の怪人/海底の魔術師

江戸川 乱歩

Lesen Sie 鉄塔の怪人/海底の魔術師 (てっとうのかいじん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 160.770 Zeichen · 322 Bildschirme

Aozora Bunko

福永船長は、それから一年ほどたって、やっと無電で送った沈没の位置がちがっていたことに気づいたというのだが、これはどうもおかしいね。船長は、わざと気づかないことにしておいたのかもしれない。そして、それからまた一年ほどたって、船長は、保険会社から沈没した大洋丸の権利を買いとった。そのころのお金で、二十何万円、今にすれば一億円ぐらいになるがね。そのお金をこしらえて、沈没船をじぶんのものにしてしまった。どうせ引きあげられない船だから、保険会社もやすく売ってしまったのだね。

引きあげの見こみもない船に、どうしてそんな大金を出したかというと、その船には、香港からアメリカに送る金塊がたくさんつんであったのだ。遺言書には、そのころのねうちで四百万円とあるから、今では二十億円ほどのものだ。船長は、それを引きあげて、大金持ちになろうとしたのだよ。保険会社から権利が買ってあるので、だれにもえんりょすることはないのだ。

保険会社は、世界じゅうのどんな潜水技術でも、どうしても引きあげられない深いところにあると思ったので、権利を売ったのだが、船長は大洋丸が、無電で知らせた場所からは五マイルもへだたった、もっとあさいところに沈んでいることを、ちゃんと知っていた。