Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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てっとうのかいじん

鉄塔の怪人/海底の魔術師

江戸川 乱歩

Lesen Sie 鉄塔の怪人/海底の魔術師 (てっとうのかいじん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 160.770 Zeichen · 322 Bildschirme

Aozora Bunko

「その、もと船長の遺言書は、むずかしい文章なので、くだいて話すとね、今から二十年ばかりまえに、紀伊半島の潮ノ岬の沖で、大洋丸という汽船が、暴風のために沈没した。そのときは、何十年に一度というひどいあらしで、大洋丸が無電で助けをもとめても、海岸から助けの船を出すこともできなかったほどで、多くの船客や乗組員が死んでしまった。

流れたボートにすがって、やっと海岸にたどりついたのは、十数人の乗組員だけで、その中に、船長の福永という人もはいっていた。じぶんだけ助かるというのは、あまりえらい船長じゃないね。

大洋丸が無電で助けをもとめるとき、今どこにいるかという位置を知らせたのはいうまでもないが、福永船長の遺言書には、そのとき、じぶんはあわてていたので、たいへんなまちがいをしたと書いてある。経度の数字をまちがえて無電技師につたえたので、あとで大洋丸がまるでけんとうちがいの場所に沈んだようになってしまって、保険会社が、船会社に保険金をはらったあとで、沈んだ場所をしらべると、そこはひじょうに深いところで、船はもちろん、荷物も引きあげられないことがわかって、あきらめてしまった。