Japanische Klassiker mit Furigana
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てっとうのかいじん
鉄塔の怪人/海底の魔術師
江戸川 乱歩
Lesen Sie 鉄塔の怪人/海底の魔術師 (てっとうのかいじん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 160.770 Zeichen · 322 Bildschirme
しかし、手をかけたかとおもうと、探偵は、はっとしたように、きびしい顔になりました。
「賢二君、ちょっと、そちらを、むいてごらんなさい。きみの背中に、なんだか、はっている。」
賢二少年が、きみわるそうにして、うしろをむくと、その学生服の背中に、黒い大きな虫が、モゾモゾと、うごめいていました。
「あっ、ドクロのもようだ。」
書生の青木が、とんきょうな声をたてました。それはドクロもようの、一ぴきのカブトムシだったのです。
明智が、サッと手ではらうと、カタンという音をたてて、妖虫は、床に落ち、あおむけになって、ぶきみな足をモガモガやっていましたが、そのうちに、クルッと、ひっくりかえって、そのまま、部屋のすみのほうへ、かけだしていくのでした。
賢二少年はもちろん、おとうさんの高橋さんも、顔色をかえていました。
「まえぶれだ。あいつが、やってくるというまえぶれだ。明智さん、もうぐずぐずしてはいられません。はやく、なんとかしなければ……。」
高橋さんは、いまにも、あのおそろしい大カブトムシが、窓からしのびこんでくるのではないかと、うしろを見ながら、おびえたように、いうのでした。