Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 157.440 Zeichen · 313 Bildschirme
宇八を釣って置いて、一刻半ばかりの行先を変なものにし、疑いを宇八の方へ持って行くつもりだった」
「悪い女ですね」
「あの時、俺とお前を案内して、灯りのない血だらけの部屋へ飛び込んだ癖に、お栄の裾にも足にも血が付かないことをおれは不思議がったろう。――お栄は家の中のことを心得ていた証拠だ」
「でも、お栄は隣りへ行く時、戸口で半兵衛と話していたというじゃありませんか――そして隣りから帰ると直ぐ、半兵衛が殺された騒ぎが始まり、親分と私が行った時は、血が固まりかけていましたね」
「いや、お栄がお隣りへ行った時は半兵衛はもう殺されていたよ。血の固まり具合で見ても、おれ達が行く一刻か一刻半も前に殺されているはずだ」
「するとお栄と話したのは?」
「お栄だよ」
平次は不思議なことをいうのです。
お栄と話したのはお栄――平次は不思議なことをいうのでした。
「お栄は縄脱けの名人だといったが、この節の軽業や手品が、歌舞伎芝居の真似事をしてお客様の御機嫌を取ることはお前も知っているだろう」
「――」
「お栄は声色も上手に使えたのだよ。毎日聴きなれている半兵衛の声色ぐらいは、器用なお栄には何んでもなく真似られるだろう。