Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 157.440 Zeichen · 313 Bildschirme
「呆れた野郎ですね」
「父親の定五郎を殺したのは宇八だ――と小僧の定吉に教えたのはやはりお栄だろう。お栄はあの谷中で宇八を殺した晩、定吉に宇八を誘い出させ、自分は宵のうちに、佐久間町の樽拾いの小僧の家へ行って窓から財布などを投り込んだ、――そして金沢町の家へ帰って、お前が変な顔をするのを、面白そうにながめて思わせ振りな笑顔を見せた――こうして置くと夜中に脱け出しても八五郎は気が廻らない」
「ヘッ」
八五郎は照れ隠しらしく、長んがい顎をなでます。
「宵に一度出て八五郎に安心させて置いて、夜半にそっと丸窓から脱け出したのは手が込んでいるが賢こいやり方だ。その頃用心棒の八五郎は、鼻から提灯を出して、大福餅の夢を見ていた」
「冗談でしょう」
「お栄は抜け目がないよ。谷中で宇八に逢い、半兵衛を刺した時と同じように、背後から抱きついて、何んかささやくと見せて、匕首を男の首筋に叩っ込んだ。こいつはお栄の術だ、相手の血を浴びずに、間違いなく止めが刺せる」
平次はその場を見ていたように話して行くのです。
「わからない事が一つありますが、親分」
「何んだえ」
「石原から定五郎に間違いがあったといって来た使いはだれでしょう」