Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 157.440 Zeichen · 313 Bildschirme
「畜生ッ」
平次はさすがに唇を噛みました。あまりといえば、人をなめた手紙です。
「こいつをお雪坊の家へ投り込んであったんですよ。別に金が十両と手紙がついていて、名前はエテ三とあったようです」
「たしかにエテ三とあったのか」
「あっしが見たんだから間違いありませんよ。それくらいの字ならあっしも読めまさア」
「すると、斑組の首領は、猿三とか申三郎とかいうんだろう」
「役者みたいですね。女ならお猿とか、おえんとか」
「その手紙の文句を覚えているか」
「何んでも面倒臭いことが書いてありましたよ。一と息には読み下せそうもないような」
「仕様のない野郎だ。だから少しは四角な字も習って置け、――というと、俺は大層学がありそうだがね」
平次はそういって苦笑しながら出かける支度を始めました。
銭形平次は、八五郎の腑甲斐なさを責める気にもなれず、そのまま自分で佐久間町のお雪の家へ行きました。
相変らずの浮世小路で、世帯疲れのした母親と、不思議にピカピカする娘のお雪が迎えてくれます。
奉行の計らいで、窓から投り込まれた金をもらったところで、骨まで貧乏のしみ込んだ世帯が、急に明るく豊かになるわけではなく、旧態依然たる鼠の巣に、母親は手内職の玩具などを並べておりました。