Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 157.440 Zeichen · 313 Bildschirme

Aozora Bunko

おれと折合うのがいやなら、銭形平次と一番近い者からたたって行くよ。差当りお前の女房のお静などはどうだ」

「――」

さすがに平次もギョッとしました。それは平次に取っては何物にも換え難い恋女房です。

「それから、お栄の阿魔に定吉かな。お栄の阿魔と来た日にゃ、ピンシャンしてて一番始末が悪いよ――それに近頃あの八五郎が夢中になっている、佐久間町の樽拾いの小僧の姉のお雪などはどうだ」

「畜生、畜生」

平次は五重の塔の五階の扉を揺ぶりながら歯噛みをするばかりです。

陽は谷中の森に落ちて、四方は本当にたそがれ始めました。この頃になって急に塔の下で騒がしくなったのはガラッ八の八五郎が漸く多勢の人数を狩り集めて飛び込んで来たのでしょう。

「来たぜ、銭形の親分。二、三十人は来た様子だ。どうせ雑魚だが、あれを相手に立ちまわりを始めるのは、たて師も楽じゃねえ――どうしても折合わなきゃ気の毒だが一と足先へ行って、親分の恋女房の命をもらって置くぜ」

「あ、野郎、待ちやがれ」

平次はさすがに死物狂いでした。曲者の潜んでいる足の下の扉を必死になって揺ぶると、何処に破綻があったものか、心張棒はコトリと外れて、扉は何んの他愛もなく、外へパッと開きます。