Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 157.440 Zeichen · 313 Bildschirme
曲者は恐らく堂々と表の格子を開けさせて入り、驚き騒ぐお静をさらって何処かへ消えてなくなったのでしょう。
お静の悲鳴は、八五郎もその同勢も、確かに格子の外で聴き、それからたばこ一服の時も経たないうちに、六人は押し重なるように雪崩れ込んだのです。
もっともそのわずかの隙に、お勝手口か椽側から脱け出せないことはありません。が、その脱け出した後でだれが一体、こんなに厳重に締めたのでしょう。雨戸は上下の桟がおりた上、念入りに輪鍵まで掛けてあるのですから、八五郎等六人が飛び込む隙に、外からこんな手の込んだ締めようは絶対不可能です。
「あ、銭形の親分だ」
その騒ぎの中へ、銭形の平次はようやく帰って来ました。
「どうした、変な顔をしているじゃないか」
「あ、親分、済まねえ」
八五郎はいきなりその足の下へヘタヘタと坐り込んでしまったのです。
「何が済まねえんだ。え、八」
平次も一脈の不安に、さすがに落ちつき兼ねて、四方を見まわします。
「お静姐さんが、さらわれたらしいんだ、親分」
「え?」
「路地を入って、格子へ手を掛けた時は、確かに声が聴えたんだ――助けてエ――といったのは、お静姐さんに違いないが、格子を叩き開けて入ると、家の中は空っぽだ。