Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 157.440 Zeichen · 313 Bildschirme
百千万の征矢が納まり、立ちこめた靄の消え去るころ、一万両の行列はつつがなく尾州家築地蔵屋敷の裏門から、静々と入ってしまい、残るは津田孫太郎、鈴木倉之進を始め、腕に覚えの武辺者が六人、花火玉を打ち込んだと思われる海上遙かに眺めると、それらしきハシケが二隻。
「ワーッ、ざまア見やがれ」
どッと笑いを残して、海上遙かに漕ぎ去ってしまいます。
海からの襲撃を予想しなかったのと、咄嗟の場合それを追う舟がなかったので、尾州の猛者達も、地団駄を踏みながら引揚げるほかはありません。
一万両の大金は、市ヶ谷の尾州上屋敷に持込んで、厳重の上にも厳重を極めた、御金蔵に納めるのが本筋ですが、八丁堀の組屋敷からでは道中が長過ぎて口さがない江戸の町民たちに、その物々しい警戒ぶりを冷やかされ、落首や川柳になって、お国許の藩主の耳に入るのがうるささに、留守居の重役方合議のうえ人通りの少ない本願寺裏を通って、近間の築地お蔵屋敷の土蔵に納めたのは、まことに一応の機宜を得た処置だったのです。
一万両の小判が、蔵屋敷に納まると、大橋要人を始め津田孫太郎、鈴木倉之進、ほか二十五名の猛者たち、すっかり肩の重荷をおろしてしまいました。