Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 157.440 Zeichen · 313 Bildschirme
「ほかではございません――私が江戸で縁づいたのは」
「――」
お銀はいいかけて四方を見まわしました。
「さき程は申し兼ねましたが、何を隠しましょう海道筋で聞えた大泥棒の頭領、斑組六人男の筆頭で、大橋伝中という浪人者でございました」
「それは芝巴町に住んでいた?」
銭形平次も驚きました。それは曽て金沢町の近江屋の番頭で、後に人手に掛って死んだ宇八というのが、近江屋の主人半兵衛の殺された晩、訪ねて行ったという浪人者の名だったのです。
「――大橋伝中というのも、本名かどうかわかりませんが、兎も角近江屋の主人半兵衛、番頭の宇八、本所石原の定五郎、明石一座の五郎八夫婦などを手下に、海道筋で荒いかせぎをし、何千両という金を溜めましたが、先年東海道宇津の谷峠で、尾州の御用金一万二千両を奪い盗ったのを打ち止めに、綺麗に足を洗って江戸に入り、銘々離れ離れになって堅気の仕事を見つけ、ほとぼりのさめるのを待って、三年後に二万両の大金を分ける約束でございました」
お銀の話の途方もなさと、それにも拘らず寸毫の疑いを挾みようもない真実性に、銭形平次もさすがに固唾を呑みました。
「それから、どうした」