Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 157.440 Zeichen · 313 Bildschirme
「お前一人じゃいけねえ。見す見す結構な餌になるだけだ――叔母さんも連れて行くが宜い」
「ヘエ、叔母さんつきで泊りに行くんですか、それじゃ一向つまりませんね。親分の前だが――」
「贅沢をいうな」
「チェッ、叔母さんつきの情事なんざ、洒落過ぎて腹も立ちませんね」
そんなことをいいながらも、八五郎はたいして不平もいわずに帰って行きました。お栄は綺麗で才はじけてはおりますが、何を考えているのか腹の底までは見通しがつかず、平次が用心する気になったのもまことに無理のないことだったのです。
それから三日、果して思いも寄らぬ事件が展開して、この騒ぎを凄まじい破局に引ずり込んでしまいました。
「た、大変ッ、親分」
ガラッ八の八五郎が、鉄砲玉のように飛び込んで来たのは、定五郎が殺されてから、四日目の朝、まだ卯刻半(七時)前でした。
「相変らず素ッ頓狂な声を出して、お長屋の人達は、番毎胆を冷やすぜ――小さい子供のある家は八丁四方に住みつけないといううわさだ」
平次は朝の空気を腹一杯に吸い込んで、椽側から空をながめていたのです。
「落ついていちゃいけませんよ、親分。また殺しだ」
「何んだと?」