Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 157.440 Zeichen · 313 Bildschirme
新らしい手掛り
「恐ろしく悪賢い野郎だ。容易のことでは尻尾を出すまいよ」
平次はそういううちにも死骸の調べを続けております。
新らしい手掛り
「こりゃ何んだ」
肌守りの中から平次は、小さく畳んだ紙片を一枚見つけました。
「有難そうなお守りかなんかじゃありませんか」
八五郎は長いあごで覗くように、向うから顔だけ持って来ます。
「いや、――手紙らしいよ――こじきばしのたばこ屋、やつまえ――とあるじゃないか。恐ろしく下手な字だが大事そうに畳んであるところを見ると、こいつは女の子と逢引の約束かなんかだろう」
「日がわかりませんね。今日とか、昨日とか書いてあると好い都合だが」
「今日や明日のことじゃないよ。紙は毛ば立って折目が切れて、少し汗が染みている。そいつを夜昼肌につけて、幾度も幾度も出して読み直したんだろう。五日や十日は抱いていたことだろうな」
「すると、あの晩の打ち合せじゃありませんか。近江屋半兵衛が殺された――」
「あッ、何んだってそれに気がつかなかったんだ。あの晩宇八は、酉刻半(七時)に芝口二丁目の棟梁喜之助の家を出て、戌刻半(九時)過ぎに宇田川町の相模屋へ行くまで、ざっと一刻の間の足取りがわからなかった筈だ。