Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 157.440 Zeichen · 313 Bildschirme
賽の目
おれは死骸を取りおろす」
「一人で大丈夫ですか」
平次はそれには返事もせずに、先ず死骸の首から千両箱を取りおろしました。縄の掛けようなどは、なかなか念入りで、貫々は思いの外軽く、開いている蓋を払って見ると、中には五、六十枚の小判が入っているだけです。
死骸の首の右側――千両箱を掛けた縄の当ったあたりは、物凄い傷口が開いて、血は肩から胸から、腰のあたりまで浸しております。縄はさして汚れていないところを見ると、死んでしまってから、此処に運んで、椎の木に縛ったものでしょう。
「手伝いましょうか、親分」
八五郎はもう一度お勝手口から出て来ました。
「娘はどうした」
「気分が直ったようです、――こいつは全く女子供に見せる代物じゃありませんね」
「手を貸せ。とも角家の中へ入れて、仏様らしくしよう」
「ヘエ」
平次は縄の結び目から、死骸の身体まで調べながら八五郎と二人、血潮に汚れるのも構わず、椽側に運び入れました。
「おや、変なものがありますよ」
八五郎は死骸の腕――捲くれた袖から出た二の腕の外側を見ております。
「何があるんだ」
「変な入墨ですよ」
賽の目
「どれどれ」
平次は庭の土の上に置いた行燈を持って来て、死骸の側に寄せました。