Japanische Klassiker mit Furigana
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まじゅつし
魔術師
江戸川 乱歩
Lesen Sie 魔術師 (まじゅつし) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.264 Zeichen · 280 Bildschirme
悪魔は、醜く顔を歪めて、毒々しく笑った。彼のピストルは、素早く妙子の脇腹にくっついている。形勢は一転して、今度は明智の方がおどかされる立場になった。
あとで分った所によると、その日、玉村妙子は、もう傷口も殆ど癒えたので、退屈の余り、病室を出て、病院の庭を散歩していたが、ちょっと看護婦が目を離している間に、どこへ行ったのか、姿が見えなくなってしまった。
夕方になっても、帰らぬので、玉村邸へ電話をかけると、無論邸へは来ていないという返事だ。そこで、警察へ届けるやら、捜索隊が八方に飛ぶやら、大騒ぎとなったが、その時分には、当の妙子は、とっくにこの海岸の一軒家へさらわれて来ていた。
先に、賊の住家の玄関脇の一室に、棺桶の様な長い箱が置いてあったことを記したが、妙子はその中にとじこめられていたのだ。そして、明智達が奥の方へ這入って行った留守に、賊の手下の奴が、柱に縛られていた文代と、棺桶の中の妙子とを、手早くすり替えてしまったのだ。名探偵の裏をかいて、アッと云わせてやろうという、例の魔術師の虚栄心である。
「素敵素敵、さすがは魔術師程あって、あざやかなものだね。