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Japanische Klassiker mit Furigana

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なるとひちょう

鳴門秘帖(三)

吉川 英治

Lesen Sie 鳴門秘帖(三) (なるとひちょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 261.216 Zeichen · 521 Bildschirme

Aozora Bunko

しかも、頭巾にくるまれたお前の秘密は、やはり一つの阿波の秘密だ。江戸城へはいい土産、それをつかんだなら阿波から足を抜こうと、一念に、お前の頭巾の中を狙っていた。と、お前は放埒に荒んだ揚句、阿波を出奔して行方をくらまし、わしは、原士の長に見破られて、とうとう、この剣山へ捕われの身となってしまった。よくよくの因縁だ。そのお前が今日はわしの痩せ首を斬りにきた。で、古いことを思いだしたのじゃ……。しかし今、死の間際に、頼んであの時の秘密を見せて貰ったところで、何の役にも立ちはしないが、わしが捕われの原因となった物だけに、山牢へきた後も、自分の眼が誤っていたか正しかったか、始終気になっていたところ、人にはわからぬ隠密煩悩、死際の欲望に、ありありと、手にのせて見て死にたい。孫兵衛、わしのいおうとする中心はここだ、ひと目でいい、見せてくれ」

「な、何をだ?」

「その頭巾の下に隠されているものを」

「ばかなことを吐かせッ」

「嫌か」

「当たりめえだ!」

「じゃあ、話はそれまでのこと。殺るか、いよいよ」

「おウ、催促がなくっても殺してやる」

伸びた猿臂――

ムズと、甲賀世阿弥の襟もとをつかみ、右手の大刀をギラリと後ろへひいた。