Japanische Klassiker mit Furigana
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おうごんひょう
黄金豹/妖人ゴング
江戸川 乱歩
Lesen Sie 黄金豹/妖人ゴング (おうごんひょう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 153.404 Zeichen · 307 Bildschirme
ふと気がつくと、むこうの木のあいだに、白いもやのようなものがたちこめていました。だれかたき火でもしているのかと思いましたが、そうでもありません。うす暗い森の下に、白いものが、ボーッとたちこめているのです。
警官たちは、思わず立ちどまって見ていますと、その白いもやの中に、ぼんやりと、へんなものがあらわれてきました。
あっ! 人の顔です。五メートル四方もあるような、でっかい人の顔です。いや人間ではありません。人間に、あんな牙がはえているはずはないのです。
ギョロリと光ったまんまるな目、大きな鼻、耳までさけた恐ろしい口、そこから、ニューッと、とびだしている大きな牙。
妖人ゴングです。ゴングが正体をあらわしたのです。
「撃てっ!」
警官のひとりが叫びざま、怪物の顔にむかってピストルを発射しました。あとのふたりも、それにつづいて、ターン、ターンとピストルを撃ちました。
しかし、白いもやの中の怪物は、びくともしません。大きな口を、キューッとまげて、あざ笑っているばかりです。
勇敢な警官たちは、いきなり、白いもやにむかって突進していきました。怪物につかみかからんばかりのいきおいです。