Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おうごんひょう

黄金豹/妖人ゴング

江戸川 乱歩

Lesen Sie 黄金豹/妖人ゴング (おうごんひょう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 153.404 Zeichen · 307 Bildschirme

Aozora Bunko

その刑事は、

「わたしは、二―三日まえに刑事をつとめるようになった、しんまいです。」

と、あいさつして、にやにや笑いました。なんだか、へんな刑事さんです。

その刑事は、お昼から夜まで、ずっと見はりをつづけていましたが、夜の九時ごろ、うちの人が、みんな寝室へひきとり、あたりが、しーんとしずかになるのを待って、刑事は俊一君の洋室の窓をあけ、そこから庭へとびおりました。

まっ暗な庭に立って、しばらく、そのへんを見まわしていましたが、だれもいないことがわかると、広い庭の木立ちの中へはいっていきます。いったい、この刑事は、なにをするつもりなのでしょう。

木立ちの中に、土手のように小だかくなったところがあります。刑事はそのそばによって、土手の横にある四角な鉄のとびらを、パッとひらきました。

それは、むかし、戦争のときにつくった防空壕の入口だったのです。戦争のときは、空襲があると、家じゅうのものが、そこへ逃げこんだものです。

花崎さんの庭にある防空壕は、ぜんぶコンクリートでつくり、鉄のとびらをあけ、階段をおりて、コンクリートの地下室にはいるようになっていました。

がんじょうなコンクリートづくりなので、こわすのがたいへんですし、物置部屋につかうこともできますので、花崎さんは、防空壕をこわさないで、そのままにしておいたのです