Japanische Klassiker mit Furigana
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おうごんひょう
黄金豹/妖人ゴング
江戸川 乱歩
Lesen Sie 黄金豹/妖人ゴング (おうごんひょう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 153.404 Zeichen · 307 Bildschirme
やっぱり夢かしら? いや、いや、夢ではない。じぶんは、たしかに目をさましている。どうして、この人目につきやすい怪獣が、汽車の中にはいってきたのか、わからないけれど、こいつは、あの恐ろしい黄金豹にちがいありません。野村さんは、もう生きたここちもないのです。こいつに、くわれてしまうのではないかという恐れと、もうひとつは、五千万円のダイヤを、こいつに、とられてしまうのではないかという心配で、気がくるいそうになってくるのです。
野村さんは、寝たまま、だんだん、寝台のすみのほうへ、からだをちぢめて、宝石のかばんを、死にものぐるいでだきしめていました。すると、怪獣の金色の前足が、ヌーッと、その宝石のかばんのほうへ、のびてきました。しかし、せまい寝台の中ですから、逃げることも、どうすることもできません。
金いろの前足は、恐ろしい力で、野村さんのだきしめていた宝石のかばんを、つかみとってしまいました。そして、まるで人間のように、もういっぽうの前足でかばんを開き、それを、青く光る目の前へもっていって、しばらく見ていましたが、とつぜん人間の声で、いやな笑いかたをしました。