Japanische Klassiker mit Furigana
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あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
Lesen Sie あさひの鎧 (あさひのよろい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.520 Zeichen · 475 Bildschirme
そうかと思うとこの大広間の、裏庭へ向いた縁の近くで、足助次郎重成と、川越播磨守とが下帯一つで、無粋な相撲を取っていた。
この間に狼藉として取りちらされてあるのは、盃盤であり瓶子であり、楽器であり筆墨であった。
そうして間に掲げてあるのは『無礼講』と大書した額であった。
一人憂欝な顔をして、公卿と僧侶と武士と遊女との、乱痴気騒ぎを眺めながら、廊に近い席に坐っているのは、土岐頼兼の一族で、清和源氏の流れを汲んだ、北面の武士の一方の将、土岐蔵人頼春であった。
まだ若く美男であったが、神経質の眼で心おちつかないように、人から人へと眼を移していた。
同族の十郎頼兼や、多治見ノ四郎二郎に口説かれて、北条氏調伏、六波羅征め、関東退治のこの陰謀の中へ、その一員として加わって、無礼講へは出たものの、まだ決心がついていないのであった。
無礼講の催しを思い立ったのは、日野中納言資朝卿なのであった。
卿は味方の公卿や僧侶や、武士達の気心を知ろうとし、そうして一方には六波羅方や、六波羅に心を寄せている諸臣の、猜疑の眼をたくみに眩ませて、自由に六波羅征伐や、北条氏討伐の計を語ろう。