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Japanische Klassiker mit Furigana

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あさひのよろい

あさひの鎧

国枝 史郎

Lesen Sie あさひの鎧 (あさひのよろい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.520 Zeichen · 475 Bildschirme

Aozora Bunko

そうして、このことは、宮家ばかりでなく、宮家の家臣の誰彼の眼にも、疑がわしく見えるようになってしまい、ある日村上彦四郎が、ひそかに宮家へ言上した。

「竹原入道の二人の息子、この頃の振る舞いちと審しく……」

「それじゃよ」

と、宮家は仰せられた。

「入道の誠忠には疑がいないが、左源太、右源次の二人はのう」

「戸野兵衛の息子大弥太は、熊野定遍の部下となり、勿体なくも宮家のご身辺を……」

「うむ、過日も蓬生が参って、泣く泣くそのことを申しておった」

「彼らこそまことに親の心子知らず……」

「…………」

「表立って敵対う輩には、備うべき手段もござりまするが、内輪にあって逆意持つ者には……」

「備うべき策にも困ずるのう」

「所詮十津川も安泰の地にはおわさず」

「入道や兵衛には気の毒ではあるが、早晩この地も捨てずばなるまい」

「捨ててさて宮家には?」

「吉野へ行こう、要害の吉野へ」

「至極の御事と存じまする、……この頃しきりに吉水院のもとより、ご来駕促がしおりますれば……」

「吉水院は完全に宮方。が、執行の岩菊丸は、首鼡両端を持しておるとか……」

「宮家吉野へおいで遊ばし、吉水院に御力を添え、岩菊丸を御抑え遊ばすこそ、もっとも肝要かと存ぜられまする」