Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
Lesen Sie あさひの鎧 (あさひのよろい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.520 Zeichen · 475 Bildschirme
「いずれにいたしても十津川を去るべく、ひそかに用意いたすよう」
「かしこまりましてござります」
また数日の日が経った。
ふと宮家は詩情を催され、お供もつれられずただお一人で、館の裏庭へおでましになり、咲き垂れている藤の花の上に、朧ろに出ている月を仰ぎながら、朗詠を口誦さまれ彷徨われた。
中門の側まで来た時であったが槻の木の大木が立っていて、その裾に萩と卯木との叢が、こんもり丘のように繁っていたが、その蔭から男女の声が、ヒソヒソとしてきこえて来た。
「兄の頼みじゃ、妹の身として……」
「いかな兄上のお頼みでも、勿体ない、だいそれた……」
右源次と呉服との声であった。
「はてな」
と宮家はおぼしめし、じっとお耳を澄まされた。
「われらが事を行なわねば、大弥太が事を行なうまでじゃ! ……きゃつに功を奪われてはのう!」
「大弥太めが※(感嘆符疑問符、1-8-78) ……憎い憎い大弥太!」
「兄上は優柔不断! でもとうとう決心されて……玉置、芋ヶ瀬の荘司の方へ、……先刻内通に行かれた筈……」
「ええまア穢らわしい、聞けば聞くほど……あそこにもここにも不忠者ばかりが……」
「父上には昨日よりお留守……で、今夜あたりが絶好の機会……呉服たのむ、やってくれ!」