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Japanische Klassiker mit Furigana

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さぶ

さぶ

山本 周五郎

Lesen Sie さぶ von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 210.521 Zeichen · 415 Bildschirme

Aozora Bunko

栄二は眼をそらした、「今日は十二月の、――幾日だっけな」

「十日さ、明日が休みだからね」

「するともう五十五、六日になるんだな」

「日数のことなんか考えちゃだめだ、医者のみたてっていうものは、いつだって軽く云うもんなんだから、一年かかる病気でも、病人に気おちをさせまいとすれば、半年以上とは云わないものなんだよ」と与平はなだめるような声で云った、「――とにかく日数のことなんか考えなさんな、折れた骨がつながるんだから、接ぎ木をするんだっておまえさん、三十日や五十日じゃ済まないんだよ」

栄二は頷いて云った、「だから手習いを始めようと思うんだよ」

「そうかそうか、それなら私も安心だ」

与平の顔にはしんじつ安心したような表情があらわれた。

外は曇りで、あまり強くはないが風が吹いていた。この建物は仮小屋だから、床にも板壁にも隙間があり、そこから風が吹きこんで来る。切炉が二つあって、人足たちのいるときには両方へ火を入れるが、いまは一つしか火がなく、どんなに炭をついでも部屋があたたまるということはなかった。与平はうるさく「もっと炉の側へ寄れ」とすすめるが、栄二は戸納の前から動こうとはしなかった。