Japanische Klassiker mit Furigana
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さぶ
さぶ
山本 周五郎
Lesen Sie さぶ von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 210.521 Zeichen · 415 Bildschirme
とさぶは珍しくくいさがった、「おらあ栄ちゃんが頼りなんだ、側に栄ちゃんがいてくれれば、どうやら自分なりの仕事もできるし、自分にも仕事ができるんだ、っていう気持にもなれるんだが、おれ一人っきりだと心ぼそくって頼りなくって、ついへまなことばかりやっちまうんだ」
「待てよ、さぶ」栄二が云った、「おれたちはもう子供じゃあねえ、お互いに二十五にもなったんだぜ」
「自分のとしぐらいは知っているよ」
「それならそんなにあまったれるな、二十五といえばもう子供の一人や二人あってもいいとしごろだ、おれが側にいなければ心ぼそいなんて、そんなあまっちょろいことで世の中が渡ってゆけると思うのか」
「おれはただ」とさぶはみじめに吃った、「おらあただ、栄ちゃんにここから出てもらいたいんだ、おれの云ったことがあまえたように聞えたらそいつは忘れてくれてもいい、おれのことなんか二の次でいいんだよ栄ちゃん、ただ、どうか頼むからここを出てもらいたいんだ」
「いやだ」と栄二は云った、「誰がなんと云おうと出るこたあできねえ」
さぶは持っていた包みを下に置き、まるい眼をみはって栄二をにらんだ。
「これほど頼んでもだめかい」