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Japanische Klassiker mit Furigana

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それでもわたしはいく

それでも私は行く

織田 作之助

Lesen Sie それでも私は行く (それでもわたしはいく) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 89.708 Zeichen · 181 Bildschirme

Aozora Bunko

ステップも何もめちゃくちゃな、まるでやけになったような踊り方であった。

小郷がいつまでも踊っているので、君勇と鈴子は手持無沙汰にホールの隅の椅子に腰を掛けていなければならなかった。

君勇は小郷なぞ放ったらかして、さっさと帰ってしまいたいくらいいらいらしていたが、鈴子はべつに退屈もせず、君勇に貰った鶴の絵のはいった扇子を弄んでいた。

君勇はその鈴子の横顔を見ると、

「なるほど鶴雄さんと似合いや」

と、ひそかに呟いた。

「――鶴雄さんが好きにならはるのン、無理はない」

そう思うと、嫉ける前にまず、

「――あてみたいなもンあかん」

と、いう諦めが先に立って、がっかりした。嫉けるにしては、大人気ない。が、やはり寂しかった。

この気の遠くなるような寂しさは、一体何であろう。

夜は次第に更けて行った。

ホールから、拍手の音が聴えて来た。

ラストのバンドが始まったのだ。

やがて、それも終った。

踊っていた客はぞろぞろと玄関へ出て来た。

キャバレーの前に佇んでいた三好は、はっと物影へ身をしのばせた。

五

夜の木屋町は美しかった。

「べにや」の軒の長い赤提灯、円いピンク・ブルウ・レモンイエローの提灯の灯りが、高瀬川の流れに映って、しみじみと春の夜更けの感じだった。